泡の一生

このレッスンでは、グラスの中で泡がどこで生まれるのか、上昇する途中でなぜ大きくなるのか、はじけるときに何が起こるのか、そしてグラスと注ぎ方がなぜ大切なのかを学びます。

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    小さな繊維の中で生まれる

    開けたボトルには、ワインが保てる量よりはるかに多くのCO2が含まれていますが、泡は何もないところからは現れません。出発点となる小さなガスの空間が必要です。1泡の多くは、グラスに付着した長さ約100 µmの中空のセルロース繊維の中で生まれます。こうした繊維は空気中から落ちてきたり、拭き上げた布から残ったりしたものです。2,1このような出発点を核生成サイトと呼びます。

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    上昇しながら大きくなる泡の列

    閉じ込められたガスにCO2がしみ込み、やがて約10 µmの泡が離れていきます。1注いでから3分後には、1つのサイトから毎秒30個近くの泡が放たれることがあり、そのためにきれいな泡の列が見えます。2上昇する途中も、溶け込んだCO2が泡に入り続けるため、泡は大きくなります。シャンパーニュにはビールの約2倍のCO2が溶け込んでおり、その泡は最終的により大きくなります。1

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    表面ではじける

    表面では、泡の薄い膜が10から100マイクロ秒で破れ、最初の数分間は毎秒数百個の泡がはじけます。2はじけるたびに小さな噴流が上がり、それが細かな飛沫に分かれます。飛沫は、下にあるワインよりも多くの界面活性物質や、おそらくは香りの成分を運ぶと考えられています。3まだ査読を経ていない総説によれば、飛沫はグラスの上で蒸発し、それ自体の香りを放ちます。1

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    約100万個の泡

    グラス1杯からいくつの泡が生まれるのでしょうか。2017年の総説は、そのまま置いたフルートで約100万個の泡が生まれて上昇すると見積もっています。41本の繊維は、溶け込んだCO2が少なくなりすぎるまでに数万個の泡を放つことがあります。5泡は表面に集まってムースになり、グラスの縁に沿って輪、つまりコルレットを作ります。6

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    舞台を整えるのはグラス

    泡の多くは繊維から生まれるため、繊維のないグラスでは泡が少なくなります。2,3シャンパーニュ委員会は、グラスを洗剤を使わずにお湯で洗い、自然乾燥させるか綿の布で拭くよう勧めています。7,8底にレーザーで刻んだ点があり、それが常設の核生成サイトとして働くグラスもあります。1形も重要です。ある研究では、フルートの縁付近のCO2はクープの上より2から3倍高くなりました。9

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    静かに注ぐ

    注ぐときこそ、ワインが最も多くのガスを失う瞬間です。4 °Cで行った2010年の研究では、まっすぐ立てたフルートに垂直に注ぐとCO2が3.0 g/L失われ、傾けたグラスの側面に沿って注ぐと1.6 g/Lでした。10どちらの注ぎ方でも、ワインが温かいほど多くを失いました。10ワインに残ったガスは、グラスの中の泡の列を支える蓄えになります。詳しくは注ぎ方とCO2の損失をご覧ください。

ポイント

  1. 泡には出発点が必要です。その多くはグラスに付いた中空のセルロース繊維の中で生まれます。
  2. 溶け込んだCO2が入り続けるため、泡は上昇しながら大きくなります。
  3. はじける泡はグラスの上に飛沫を飛ばし、それが香りを運ぶ可能性があります。
  4. ある見積もりでは、そのまま置いたフルートからは約100万個の泡が生まれます。
  5. 注ぐときはグラスを傾けましょう。4 °Cでは、CO2の損失が3.0 g/Lではなく1.6 g/Lでした。

確認テスト

1シャンパーニュのグラスで、泡の多くはどこで生まれますか?

2泡が上昇するにつれて大きくなるのはなぜですか?

32010年の研究で、より多くのCO2を保った注ぎ方はどれですか?

関連項目

出典

  1. Mathijssen A.J.T.M., Lisicki M., Prakash V.N., Mossige E.J.L. Culinary fluid mechanics and other currents in food science. arXiv:2201.12128v2 (review) (2022-10-14)
  2. European Physical Society / EDP Sciences. Liger-Belair G., Jeandet P. Effervescence in a glass of champagne: a bubble story. Europhysics News 33(1): 10-14. DOI 10.1051/epn:2002103 (2002-01)
  3. EDP Sciences. Liger-Belair G. La physique des bulles de champagne. Annales de Physique 27(4): 1-106. DOI 10.1051/anphys:2002004 (abstract page) (2002)
  4. EDP Sciences / Springer (EPJ ST). Effervescence in champagne and sparkling wines: From grape harvest to bubble rise. Eur. Phys. J. Special Topics (2017). DOI 10.1140/epjst/e2017-02678-7 (abstract page; group: Equipe Effervescence Champagne et Applications, GSMA UMR CNRS 7331, Reims) (2017-01-06)
  5. Société Française de Physique / EDP Sciences. Liger-Belair G., Tufaile A., Jeandet P., Sartorelli J.-C. La nucléation des bulles de champagne: une sorte de goutte-à-goutte inversé ? Reflets de la Physique 9. DOI 10.1051/refdp:2008009 (2008)
  6. Union des Maisons de Champagne (UMC). The language of the senses
  7. Comité Champagne (champagne.education). Factsheet: Champagne Service (EN) (2024)
  8. Comité Champagne (champagne.education). Store and serve Champagne (web page)
  9. PLOS. Liger-Belair G., Bourget M., Pron H., Polidori G., Cilindre C. Monitoring gaseous CO2 and ethanol above champagne glasses: flute versus coupe, and the role of temperature. PLoS ONE 7(2): e30628. DOI 10.1371/journal.pone.0030628 (2012-02)
  10. American Chemical Society (article PDF hosted on acs.org). Liger-Belair G., Bourget M., Villaume S., Jeandet P., Pron H., Polidori G. On the losses of dissolved CO2 during champagne serving. J. Agric. Food Chem. 58(15): 8768-8775. DOI 10.1021/jf101239w (2010-07-13)

事実確認日 2026-10-20